青雲編から飛翔編へと移行し、さらなるスケールの拡大を続ける『ルノアール兄弟の愛した大童貞』であるが、飛翔編において最も話題を呼んだのが全校トーナメントであった。 ![]()
土毛「これ、もう始まってます?」――あ、では始めましょうか。本日は皆でトーナメントのまとめをしていただこうという趣旨でして。 土毛「トーナメントね…今となってはもはや懐かしさすら漂ってますよ(笑)何だったんだろうね、あれ?」 槍丸「あれはワイが悪かったんです…ほんまイキってすみませんでした…」 ――まずはその辺から伺いたいのですが、そもそもトーナメントが開催に至ったきっかけというのは槍丸さんがヤリチン転校生としてやってきたことですよね?」
槍丸「いや、ほんまにもうその話は堪忍してほしいんですわ…」一同「(笑)」 ――童貞の槍丸さんがヤリチンとしてふるまうことは大きな賭けだと思うのですが、そこには秘めたる思いがあったのでしょうか? 槍丸「秘めたる思いちゅうか…転校してくるにあたってどうにも不安がおさまらなくて。というのも、実はワイは手続きの関係でこっちに引っ越してから学校に入るまで1ヵ月くらい間が空いとるんです。 その時に前の学校の童貞仲間から手紙が来て。そっちはどうだ? みたいな。ワイはそれにヤリチンになったって返事をしてしもうたんですわ」
東山「ちょっと待てよ。おまえオーストラリアのヌーディストビーチの学校から来たって言ってたよな?」槍丸「…ほんまは淡路島だったんや。あんまり言わせんとって、東山」 ――とりあえず話を続けましょう。槍丸さんが淡路島の童貞仲間に自分はもうヤリチンだと返事をした、と。そうしたら…? 槍丸「そしたらまた返事が来て、じゃあ今度確認に行くって書いてあったんです。それでワイ、ドキー!ってなって。どうにもわからん状態で本屋をぶらぶらしとったら1冊の本を見つけたんです」 本を差し出す槍丸。 タイトルは『転校初日からヤリチンと思わせる50の方法』。 土毛「例の本だな」 槍丸「運命やと思いました。この本の通りにやればヤリチンとしてデビューできるんや!って。切実だっただけに吸収も普通以上やったと思います。ガーッと読んで、読み終わった時には自分がヤリチンだと信じて疑いませんでしたから」 ――チンコを出すというのもその本に書いてあったんですか? 槍丸「いえ、これはワイのアレンジですわ。自分の思い描くヤリチンのイメージっていうか」 ――しかし結果的には槍丸さんのチャレンジは一時的にせよ成功したわけですね。皆が槍丸さんをヤリチンだと思い込み、男子は猛反発しました。 錦織「あの時は本気で槍丸を殺そうと思いました。僕の中では中長期的な女子との恋愛プランというのがあったわけなんですけど、それが槍丸の登場によって台無しになる可能性が出てきてしまったので」 東山「錦織が一番燃えてたよな」 槍丸「ほんますんません」
――その流れを受け、九万蜂校長の一存でトーナメント開催が決定するわけですが、校長としての教育的な意図があったのでしょうか?
九万蜂「校長として、というよりはグラディエーターとしてだな。 私は常々生徒たちに対してある疑問を抱いていた。 なぜこいつらはいつまでたっても命のやりとりを始めようとしないのだ? とな」 ――命のやりとり、ですか…? 九万蜂「(槍丸の肩をがっしと掴みながら)まあこの小童が焚きつけてくれたおかげで皆の闘争心に火がついたな!カッカッカッ!!」 ――えー…それではそれぞれの試合にスポットを当てていこうと思うのですが、試合が行われた順ですとまず兜川・仁平戦ということになります。
錦織「まあ実質は艶ヶ崎先生が戦ったんですけど」――そのあたりの経緯を聞かせてもらえますか? 東山「仁平先輩とはレンタルビデオ店のAVコーナーでよく鉢合わせていたんです。 それで自然と会話を交わすようになって…会話っていっても全てAV談義ですが。 それで、ふとした流れで艶ヶ崎先生のヒマラヤAV探索に仁平先輩も同行することになったんですね」 仁平「そこで艶ヶ崎先生が崖から転落してしまって」 東山「みんなもうダメだと諦めかけたんですけど、仁平先輩が絶対諦めるな!オレたちが諦めてどうするんだ!って励ましてくれて…(ツーっと涙が流れる)」
仁平「ダメもとで持ち込んでたテレビと再生機器をセットして、コンセントを艶ヶ崎先生の傷口にはめてみたんです。そうしたら、テレビに再生機器の中のAVのオープニングが映り出したんですよ。正確にはオープニングというかチャプター選択画面ですけど。 何万本とAVを鑑賞しているうちに先生の体がAV機器と完全にシンクロしたんだと思います。 そこから先はもう、僕はロボット研究会ですから何とかロボットの体と融合させまして」 東山「よかった…本当に命が助かってよかった…」 仁平「まあそれで夏にロボコンが控えてたので、その前哨戦みたいな感じでトーナメントに参加したんです」 東山「!?ちょっと待てよおい!あんた艶ヶ崎先生をロボコンに出すつもりなのかよ!?」 仁平「悪いか?ロボコンに出場できるくらい艶ヶ崎先生は高性能になったということなんだ!誰がそこまでやったと思ってるんだ!?」 東山「く…いつか、いつか必ずオレの手で艶ヶ崎先生を元の姿に戻してみせる…!」
――と、とりあえず艶ヶ崎先生が出場された経緯はわかりました。それで対戦相手の兜川先生なんですが、今日の座談会には欠席ということでして… 錦織「あのトーナメント以来ずっと休職してるんですよ」 九万蜂「まあ膨らみかけのチンコを出してしまったからな。 私はいっこうに気にしてないが本人の中でまだ整理がついてないようだ」
――なるほど。それでは続いての内海・槍丸戦なのですが…錦織「内海が来なくて不戦敗となったんですよね。 僕は前夜、土手で諸星と特訓してたのを見かけたんですけど」 東山「まあ当日になって怖気づいたんじゃないの?」 諸星「それは違います!」 錦織「諸星!?」
諸星「内海は猛特訓の成果で過去最高のコンディションまで持ってきてたんです! 大会に参加さえできてれば誰にも負けるはずはなかったはずです!」――ではなぜ参戦できなかったのでしょうか? 諸星「それは通学路で不良にからまれたからです!」 錦織「不良にからまれて参戦できなくて、なんでトーナメントの勝算があるんだよ!?」 諸星「ハッ…」 錦織「まったくこれだからおまえらは…そんなことより僕の戦いに話を変えましょうよ」 ――錦織さんの試合というとお母様との対戦になったわけですが、その後の親子関係に変化はありましたか? 錦織「あ…母の話もするんですか?」 東山「そりゃあするだろ、対戦相手なんだから」 錦織「いや、僕としては本来の対戦相手である大八木浩樹くんの姉さんとの恋愛成就の可能性なんかを話したいんだけど…」 東山「それこそ関係ないだろ!だいたい何だよ錦織殺人拳って?オレたち来年受験だぜ」 錦織「…受験のこととか言うなよ…」 ――錦織さんが押し黙ってしまいましたので続いての試合に移ろうと思います。次は土毛さんと植草さんの試合、というかこれは劇なんですよね? 東山「こんな茶番は抜かしてもいいんじゃないですかね?」 土毛「茶番とはどういうことだ!」 植草「東山!俺たちが『童貞巌流島』を演じるにあたってどれだけの稽古をしてきたかわかってるのか!?」 東山「知るかよ!」 ![]()
土毛「まあ待て東山、よく聞け…あの劇中で使われた衣装代は植草家の苦しい家計の中から捻出されたものだ…おまえに人の心があるならばその辺の事情を加味してはくれまいか?」 東山「衣装代くらいおまえが出せよ!人の心がないのはあんただろ!」 土毛「何だとキサマ…!」 東山「いっつもいっつも植草にたかりやがって!いいかげんバイトでも探したらどうなんだよ!?」 土毛「オレだって働きたいよ!だけど、だけど…オレの住んでる所は空き地の土管で国有地だから社会的には通用しなくて採用されないんだよ!」 植草「土毛さん、僕の一家も大仏の中で暮らしてますがちゃんと事情を話せば雇ってくれるところはあるものですよ」 土毛「植草!それ以上言うのはよせ!」 東山「あんた結局働く気がないってことじゃねーか!」 ![]() ――あ、あなたたちはトーナメントの終盤に来たギリシャ八童貞!? ギリシャ八童貞「働くとか働かないとか、そういう話題は非常にデリケートな問題なので少年が口を挟むのは感心しないぞ!」 東山「おまえらだっていつまでも浪人生活だろ!言う資格ねーよ!」 ギリシャ八童貞「ところが我々は先日、大学受験をあきらめて家業を継ぐことにしたのだ!」 ――そうなんですか? ギリシャ八童貞「しかし我々の親は全員サラリーマンなのだ!どうすればいいと思う!?」 東山「知らねーよ!!」 ――えー、だいぶトーナメントとは話がずれてきてしまいましたが そろそろ時間が来てしまいましたのでこの辺で座談会を終了したいと思います …皆さんお疲れさまでした! |